「猫と彼女の物語」

 

12月が通り過ぎた 君は今日も頬を染めて
冬の風が肌に痛い 朝を一人駅へ向かう
赤いコート両手で絞り 足早に向かう途中で
1匹の黒い猫が 立ち止まり君を見つめていた

 

そいつはありふれたどこにもいる猫さ
通り過ぎる君をずっと見つめていた

 

晴れ上がる冬の風に吹かれた
二人の出会いは白く透き通る

 

アルバイトは5時に終わる 今日は特に予定もない
電車降りて駅を出ると またあの猫が君を見つめてた

 

黒い背中に傷が 赤く滲んでる
でもそんな事はおかまいなし あくびをした

 

降り出した雪が二人を包んで
照らす街頭に浮かんだTwo Silhouette

 

抱き上げた君の胸で一声あげたら
飛び降りてもう一度鳴いた

 

もう3月も残りわずか 君は今日も駅へ向かう
黒い猫はどこへ消えた? 君は襟を立てて歩き出す

晴れ上がる冬の風に吹かれた
二人の出会いは白く透き通る

あぁ3月の風はまだ冷たいけれど
やがてくる春の香りを感じながら

la...lalala....